世界で最も活気のある業界のひとつが、技術的アップグレードの時期を迎えている。

これが、9 月に開催された食品・飲料業界の見本市 PROCESS EXPO (英語)で私が感じたことのひとつです。イベントはサーバ ベンダの視点から「テクノロジーと統合ソリューション」に焦点を当てたものでしたが、馴染みのある IT 技術はほとんどありませんでした。そして、他業界の多くで見られる加工制御とは違い、IIoT (産業分野のモノのインターネット) 技術の導入はあまり見られませんでした。

とはいうものの、興味深いトレンドやテクノロジーがいくつか展示されていました。

1. 食品加工のルーツ

食品や飲料は、安全で、輸送可能で、美味しく、そして日々消費するものとして常に入手可能である必要があります。食品加工の多くの工程は、運用技術 (OT) の専門家によって管理されています。そしてオートメーションが進化していくにつれ、情報技術 (IT) の専門家が携わるようになりました。OT と IT を合わせたオートメーション技術の最適化は未だ進化の過程にあり、実現にはもう少し時間がかかるでしょう。

私は、異なるオートメーション手法を取り入れながらも、更なるオートメーション化の可能性を浮き彫りにしている 2 つの食品加工ラインの実演を見ました。ひとつは、材料の混ぜ合わせ、クッキーの型抜き、焼き上げ、包装まで行うベーカリーのライン。もうひとつは、七面鳥の生胸肉のカット、漬け込み (ブライン)、安全性検査、適温での包装までを行うラインでした。驚いたのは、どちらのラインでも主要工程が手動で行われていたことです。自社独自の器具を実演していた多くのベンダのうち、加工処理の様々なステップを統合することに焦点を当てていたベンダはほんの一握りでした。

出展者は、業界の一部が手動のテクノロジーや、基本的な低電圧信号を使用する単純なセンサーの段階からなかなか抜け出そうとしないことを認めていました。ここからが本題です。

2. IIoT 統合の兆候

PROCESS EXPO では IIoT 関連の展示はさほど目立っていませんでしたが、ベンダの間ではその話でもちきりでした。理由は想像に難くありません。最近の ARC Advisory Group and Stratus Web セミナー のハイライトが示すように、大きな可能性があるからです。展示場で見聞きした IIoT の例をいくつかご紹介します。

  • あるベンダの低障壁アプローチでは、シンプルな標準プロトコルを介して既存の異種センサーを相互接続します。そして、ゲートウェイを使用してデータを集約し、集中処理します。
  • 別のベンダからは、IIoT/Industry 4.0 の経験を生かして金属加工業界に参入するという話を聞きました。
  • 新工場を設計している企業に向けて、完全に統合された製造ラインを作っているベンダとも話しました。

食品加工業者にとって良い知らせは、IIoT が下水処理製造エネルギー などの業界におけるプロセスで既にその効果を証明していることです。
新しい食品加工ラインを構築するときには最新のテクノロジーを導入して、食品の安全と生産性を向上させることができます。

3. 規制が更なる変化を後押し

当然のことですが、食の安全は製造業者と監督機関のどちらにとっても最優先事項です。私は、規制による影響に関する 3 つの教育セッションに参加しました。

2011 年に制定された米国食品安全強化法 (FSMA) は「病原菌との戦い」に焦点を当て、サルモネラ菌や大腸菌などの将来的な大発生の可能性を劇的に低減させ、製品リコールをなくそうというものでした。そこには、違反が見つかった会社の役員の収監など、個人にも影響する厳格な新しい規定が定められています。ビジネスにおいて、コンプライアンスは日に日に重要なものとなってきています。

かつて製薬業界が学んだように、コンプライアンスを実践するには処理データの完璧な収集と保存が不可欠なのです。(そして誤ってコンプライアンス違反と判断され、不当な責任を負わされることがないよう)。そのメリットは食品業界でも変わりません。

この重要な業界がこれまで技術革新の最前線に立っていなかったという事実は、有利に働く可能性もあります。他業界の成功事例を見習うことによって、食品・飲料企業は将来的に真の価値を得るかもしれないのです。もちろん、ストラタスは他業界で培った豊富な経験を、食品・飲料企業の前進のために喜んで共有させていただきます。

食品・飲料企業の主要な傾向と直面している運用の課題について詳しくは、以前に録画された Web セミナー「現代の OT/IT インフラストラクチャが食品・飲料製造業の課題にどう役立つか」(英語)をダウンロードしてください。現在の傾向を知っておくべきこと、そして現在差し迫っている製造上の課題に対処するための成功事例アプローチが詳しく説明されています。