2011 年、ガートナー (英語記事) は、産業界において運用技術 (OT) と情報技術 (IT) が、共有環境の中でまもなく融合するであろうと正確に予測しました。今まで縦割りで隔絶されていたシステムを融合してビジネス インテリジェンスをより効率的に共有し活用するというこの概念は、目新しいものではありませんでした。OT と IT が、この成功実績のある統合を見習うことは、融合によるメリットが実現されることを前提とするならば、理にかなったことでした。

しかしながら、メリットが明らかになりつつあるにもかかわらず、OT と IT の融合に対する抵抗は紛れもなくいまだに存在します。最近の Automation World の記事 (英語)に、この 2 つの部門は「非常に異なる方法で運営されているだけでなく、矛盾したアプローチが取られることさえある」と記載されています。これを解決する方法は、経営陣がそのような融合のメリットを確実に前面に押し出すことです。融合が OT と IT の両方にもたらすプラスの効果は、2 つの異なる組織文化を統一するために大きな役割を果たします。

OT/IT システム融合の 4 つの主要なメリットは、コスト、パフォーマンス、生産性、および俊敏さです。コストは、OT 部門と IT 部門でしばしば一致するメリットです。IT にとって、コストは収益性の論証と予測を意味します。OT にとって、コストはしばしば生産費用の低減という目標につながります。両部門にとって、コスト改善は組織の収益性にプラスの影響を与えます。

パフォーマンスと生産性は、密接に関連するメリットです。OT と IT のデータが連携する共通プラットフォームを構築すれば、組織は正確な KPI (Key Performance Indicator: 重要業績評価指標) を作成できます。両部門はこれらの KPI を使用して、連携して共通の目標を目指せるとともに、全社規模の見える化によるメリットを活用できます。

組織がコストをより自在に制御し、KPI をリアルタイムで確認できるようになれば、俊敏かつ柔軟な対応が可能になります。このため、生産タイムラインを短時間で改善し、イノベーションのための余裕ができます。これは、OT と IT が縦割りで隔絶された環境では、困難、あるいは不可能でした。

OT/IT 統合の 4 つのメリットすべてが製造環境の中で具現化した例を見てみましょう。

OT システム部門は、製造現場から取込まれた膨大なデータを精力的に収集して分析し、多数の可動部品を効果的に監視して、生産速度や在庫などに関する決定を行うために役立てます。

一方、IT システム部門は、どの製品が顧客の買い物カゴに放置されるか、そしてこうした顧客のコンバージョン率予測はどのようなものかなどのデータを収集します。次に、これらの予測データを活用して現在および将来の市場需要を判断します。

OT/IT 融合以前は、一般的に、このデータは決められた時期に部門間で共有されていました。たとえば、四半期ごとのレビューで、IT システム部門は将来の在庫要件の判断に使用するデータを提供し、OT システム部門は価格設定と利益の議論に使用する品目ごとのコスト データを提供していました。統合後は、両部門がこのデータをリアルタイムで共有できるようになりました。

以前は、合理的とは言えない四半期報告書により、製造部門は生産コストを迅速に削減しなければならないという圧力を感じたかもしれません。この反応型のアプローチは、賃金、安全、その他多数の懸念事項にマイナスの影響を与える可能性を秘めていました。しかし、製造部門が在庫の需要などの情報を日次ベースで確認して対応できるようになると、コスト改善に向けてより戦略的に考える余裕が出てきます。

OT/IT 統合環境において IT 部門は、より包括的な状況を意思決定のキーパーソンに提示できます。材料コストの突然の上昇が現在の利益率に与えている影響に関するレポートなどです。これによって組織は、マーケティング戦略を調整するなどの事前対応が可能になり、四半期が終わる前に生産コストの低い製品のプロモーションに注力することができます。

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