ほとんどのメーカーにとって IIoT (産業分野のモノのインターネット) への道は漸進的な旅路です。時折、紆余曲折があるものの、リスクや不確実性に満ちたものではありません。

Manufacturing Business Technology』誌(英語)に最近私が寄稿した記事の中で、すでにIIoT の取り組みを進めている企業から他業種のメーカーは何を学べるか、という点を説明しています。記事の要旨を以下に示します:

1. 標準化を進める
レガシーなオートメーション インフラは独自開発のものであることが多く、アップグレードは通常 1 社のベンダーに依存しています。この場合費用がかかるだけでなく、IIoT などの最新機能を導入する際に制約があります。通信業界は似たような問題に直面しましたが、先進的な通信事業者は、業界標準のソリューションやオペレーティング システムの将来を見通しました。これによりサービス向上への道が開かれ、基本的なダイヤル トーン サービスを提供する従来のプロバイダーに対して競合優位性がもたらされました。標準ベースのテクノロジーを採用することで、メーカーはビジネスを改善するイノベーションの新たなトレンドへの扉を開くことができます。

2. 統合への道を開く
OT (運用技術) を運営する組織は、脆弱性対策のため、ICS (産業制御システム) を他のシステムから隔離することを好みます。ただし、IIoT のインテリジェント オートメーション機能を実現するには企業全体の接続環境が不可欠です。極めてリスクを嫌う金融サービス業界が飛躍的に変わったことを考えてみてください。最新のネットワーク セキュリティおよび連続可用性ソリューションを活用することで、ビジネスクリティカルなトランザクション システムへの常時接続が実現されています。これにより今日のモバイル、デジタル消費者マーケットで、金融機関にとってのビジネス機会が多く生み出されています。

3. 分散化インテリジェンスを活用する
IIoT の特徴のひとつは、多種多様なセンサーやシステムからデータを収集し、貴重なインサイトを得ることです。この分散型インテリジェンスは生産効率の改善に不可欠で、予防的メンテナンスを実現し、イノベーションに拍車をかけ、多くの業界ですでに導入されています。たとえば、石油ガス業界では、遠隔パイプライン圧縮ステーションのセンサーから収集されるデータを活用して、分析を実行し、部品の障害を早期発見します。事前の警告により、保守期間を短縮し、費用のかかる計画外ダウンタイムを回避しています。

4. データの洪水から保護する
明確なことが1点あります。それは、メーカーが IIoT を活用するにつれ、生産量、そして価値は大幅に増加するということです。メーカーは、データとそれを生成するオートメーション システムの両方の可用性を確保しなければなりません。たとえば、ビルディング オートメーションやセキュリティ業界では、ビデオ監視ソリューションからあふれるほど生成されるデータを確実に保護する必要があります。それらの企業は貴重なビデオの証拠映像を喪失するリスクを軽減するため、一貫したフォールト トレランスの導入を優先事項としています。製造現場から ICS データを保管する Historian、そしてそのデータからインサイトを創出する分析エンジンに至るまで、データ損失やダウンタイムを防止するために同じ対策ができます。

IIoTへの道は孤独に思えるかもしれませんが、他の業種でお手本となる先行企業を見つけるのは簡単です。各業界では独自の課題や優先事項があるとはいえ、すべての企業が次世代の IIoT オートメーションという方向性を打ち出し、同様の成果を上げようとしています。IIoT によって実現する貴重なインサイトや戦略を解き放つことにより、様々な業界のすべての企業が、有意義な形で競合性を高め、効率と収益性を改善することができます。