オリンピックやワールドカップなどの世界的なスポーツ大会には興味があります。ロンドンオリンピックでは、日本代表のサッカーの試合を含む複数の競技を現地で観ました。また2015年に開催されたラグビーワールドカップでも、日本代表の試合を含む2試合をスタジアムで観戦する機会に恵まれました。テレビでの観戦は競技に詳しい方の解説が付きますので、観戦のポイントやプレイの背景などもリアルタイムで知ることができます。それはそれで面白いのですが、やはり現場で目の当たりにする臨場感は格別のものです。

この文章は平昌オリンピックの競技が開始された週に書いています。既に、男子のモーグルや女子の1500Mスピードスケート、そして女子のノーマルヒルジャンプなどで日本の選手がメダルを獲得しています。今回はテレビ観戦ですので、選手たちの競技歴がアップダウンした経緯や、家族や競技関係者を含む周囲の協力体制等が良くわかりました。女子1500Mスピードスケートとジャンプは放送の時間帯が夜遅くで重なっていましたので、チャンネルを行ったり来たりして観戦することになりました。スピードスケートで高木選手が走り終わって銀メダルが確定した直後のコマーシャルで、女優の綾瀬はるかさんが、『メダルおめでとうございます、なめらかな滑りが恰好よかったです、乾杯しましょう』と言って、清涼飲料水で乾杯したのを見てびっくりしました。色々なパターンを用意して、銀メダルの獲得が決まった際に、今回のお祝い・乾杯のパターンを選択して、放送したのでしょう。

今回の放送に使用されたかどうかは確認できていないのですが、当社の無停止型のサーバは多くの放送局で使用されています。放送のオペレーションシステムに組み込まれていますし、素材のアーカイブシステムにも使用されています。実際には、AV技術とシステムソリューションをお持ちのパートナが、システムを構築して放送局に納入しています。技術的な意味での放送事故がなく、順調にシステムを運営して、重要な映像素材の検索やプレビューに貢献していると考えると、大変うれしく思いますし、一方で身が引き締まる思いです。

ご存知のように日本でも2020年に東京オリンピックが開催されます。また、オリンピックほどは認知されていないのですが、2019年にはラグビーのワールドカップが日本で開催されます。こちらは全国で試合が行われます。北は札幌ドーム、南は熊本競技場の12会場を使用し、開会式は東京スタジアム、そして決勝戦は横浜国際競技場が予定されています。このように、大規模なスポーツイベントには多くの外国観光客が来日しますので、日本をアピールする素晴らしい機会となります。また、国民の利便性を中長期的に向上させるための、社会インフラを整備する投資が可能になります。

1964年の東京オリンピックでは、多くのレガシーが生まれました。首都高速道路。新幹線。東京モノレール。放射4号線や環状7号線。NHK放送センターやホテルオークラなども、この時期です。もちろん、旧国立競技場、代々木体育館、馬事公苑、日本武道館などの競技施設も多く建設されました。

2020年の東京オリンピックのためにも、レガシーとなる競技施設の建築で多くの予算が使われるようです。しかし、前回の道路や交通機関などに代わってインフラとしての整備を期待したいのはICT関連です。

総務省の研究会(懇談会)の情報を見ますと、非常に多くの分野でアクション計画を立てています。列挙しますと、分野横断的なアクションプランとして、都市サービスの高度化をスマートフォンや交通系ICカードを活用して実現すること。映画館、美術館、競技場などの公共空間でのディジタルサイネージ大画面に4K・8Kの映像配信を実現することがあります。個別アクションには、多言語音声翻訳対応、無料公衆無線LANの整備促進、第5世代移動通信(5G)の実現、サイバーセキュリティの強化などがあります。

私が注目しているのは、この中では通信系の投資です。無料公衆無線LANの整備と、5Gの実現です。これらは、ある意味では情報の道路ともいえるもので、あらゆる都市サービスの構築は、この情報の道路網の整備に依存していると考えます。サービス自体が稼働するのはクラウド上かもしれませんし、エッジコンピュータ上であるかもしれません。サービス自体は、宿・交通機関・お店をつないだ観光ナビゲーションのサービスであるかもしれません。医療サービスや防災関連のシステムも考えられます。また、スポーツ競技のコンテンツやインタビューを、携帯デバイスを使用して仮想現実で体験することかも知れません。いずれにしろ情報の道路網が整備されていなければ、その上で新しい高品質なサービスは提供できません。

次に注目しているのは決済系のシステムです。外国人観光客は現金ではなく、クレジットカードで支払うケースが圧倒的に多いです。アメリカもイギリスも韓国もデビットカードを含むと、カードで支払う割合は50%を超えています。一方で日本はまだ10%台です。日本人はクレジットカードを平均ひとり3枚持っているのですが、利用率が非常に低いのです。犯罪率が低いとか、お札自体が比較的清潔であるなどの文化的な理由もあるのですが、先進国の中でも特別に現金主義であると言えます。商店や観光地等でのクレジットカード等決済端末の導入促進、海外で発行されたクレジットカードで交通系のICカードを購入できるようにするなどの利便性の向上は必要です。また、携帯端末での決済に関しても、都市部をはじめとして視野に入れていく必要があるでしょう。カード決済システムのインフラとして採用されることの多い当社のシステムは、この分野でも貢献できるのではないかと考えています。

2020年に向けて、まさしくWise Spending(賢い支出)が期待されます。