12月4日の週は米国マサチューセッツ州の本社での四半期ビジネスレビューに参加しました。ストラタスはアメリカ(北米と南米)、EMEA(欧州、中近東とアフリカ)、アジア、そして日本の4極で市場をカバーする体制になっていますので、本社のエグゼクティブに加えてそれぞれの地域をカバーするVPが集まってミーティングを開催します。

このミーティングでは、本社から共有される今後の製品計画やマーケティング戦略なども主要テーマになりますが、個人的には他の地域のビジネス動向が最も参考になります。ひとつは、どのような業種が活性化していて、どのようなビジネスで受注をしたのかという情報です。30年以上のICT業界の経験から言うと、新しい技術のトレンドや先進的な企業のプロジェクトでの採用は欧米でスタートすることが多いからです。どうも、最近ではアジアの各国でも日本に先んじて先進技術を採用したり、新しいサービスを開始するケースが多く見受けられます。

二つ目には、これは非常に実務的な話なのですが、本社のエグゼクティブは全世界の業績の集計で四半期毎に外部から評価されます。それは今期の業績と翌期の業績予想の両方です。他地域の業績や翌期の予想が良い時には、日本の業績や予想がほどほどであっても、全社への影響が緩和され、本社から時間を得ることができます。逆に、他の地域の業績や予想が厳しい時には、日本が頑張って貢献する必要があるということもあります。従って、全体ミーティングの前の晩のディナーなどでは、他の地域のマネージャと情報交換することが重要になります。

外資系の企業であれば、これらのことはほとんどのケースで該当すると考えます。大規模な上場企業であっても、プライベートな投資家の下で運営されている企業であっても。市場の単位をどのような地域で構成するか、日本が独立していて本社直轄なのか、アジアの一国の立場なのかということでは、企業毎に差異はありますが。

さて、他の地域での受注ですが、今回認識したのでは当社が定義するIndustrial Automation(IA)市場が貢献する度合が高まったことです。米国と欧州では従来当社の得意とする金融市場と拮抗するか、上回るほどの規模になってきています。公共でのパブリックセーフティ、ビルの管理ソリューション、高速道路、鉄道、食品、上下水道、そして石油&ガスなどの分野です。また、ハイテックの製造業でも生産管理の標準プラットフォームになっているケースがありました。まあ、Jockey Club(競馬)がこの範疇にはいるのかは微妙ですが。

これらの個別事例の多くのものが、日本で広く受け入れられている定義では、IoTあるいはエッジコンピューティングになるという気がします。現場で発生したデータを収集して、現場に近いところで分析判断できる環境。データセンターやクラウドと連携することもありますが、そのことが第一義ではなく、場合によっては外部ネットワークと遮断した環境で使われるようなシステムです。高可用性が求められるのはストラタスの事例ですので、すべてのプロジェクトにおいて共通項です。

話は変わりますが、今回は出張の帰りにニューヨークに二晩宿泊しました。実際に使えたのは1日だけですが、非常にアナログな旅行でした。12月8日のジョンレノンの命日にダコタハウス前で写真を撮ったり、セントラルパークのストロベリーフィールズで歌の輪に加わったりすること。9-11の追悼ミュージアムを訪れて、当時の状況を振り返ること。(余談ですが、ブッシュのほうが、トランプ大統領よりも随分まともに感じました。)作曲家で歌手のキャロルキングを題材にした“Beautiful”というミュージカルを見ること。

なるべくアナログであろうと意識したのですが、実際にはそうはいきません。紙の地図と人に道を尋ねることだけで過ごそうと思ったのですが、なかなか辿り着かないと、どうしてもGoogle Mapに頼ってしまいます。地下鉄で少し待っていると、ホームに設置された画面で運行状況を確認してしまいます。個人的にUberは使いませんでしたが、帰りが雪だったのでバスや地下鉄の利用をあきらめてタクシーを呼んでもらった際にも、ホテルが使用していたのはUberのようなシステムでした。日本では2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年のオリンピックまでに、Free Spotを増やすこと。さらに、旅行者が便利だと思うようなサービスを増加させることが期待されます。欧米、そしてアジアのシンガポールや上海などで実現できていて、日本では実現できていないサービスを、一つでも多く実現できると良いなと考えました。一番でなくても良いです。すでに日本は多くの分野でフォロワーになっていますし、歴史上もそうであったのですから。

Yoshitake Matsumoto, President, Japan

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