この原稿を書いている時点では、ラグビーワールドカップの予選プールが行われています。開会式に続いてのオープニングゲームである日本対ロシア戦、優勝候補同士がいきなり激突したニュージーランド対南アフリカ戦、そして“静岡の衝撃 Shizuoka Shock”と国内外で報道された、日本対アイルランド戦をスタジアムで観戦しました。

東京・横浜・静岡のどの会場も、各国からのビジターで国際色豊かでした。ストラタスのアイルランドからも観戦に来ています。もちろん、ほとんどの人が自国チームの応援目的に来ていますが、その上で滞在中には色々な国のゲームを観戦するようです。アイルランド戦後に入った掛川駅前の居酒屋でも、隣のテーブルはウェールズから来た親子でした。どうも日本に滞在経験のあった息子さんが、還暦を過ぎた両親を連れてきたようです。私も記念写真を一緒にとって、1975年の来日メンバーの話題で盛り上がりました。マーヴィン・デイビス、ガレス・エドワーズ、JJウィリアムズ、JPRウィリアムズなどの伝説の選手たちです。ちなみに、ラグビー観戦者はサッカー観戦者の6倍ビールを消費するという説を読んだことがあります。私は、本来お酒はほどほどですが、明らかに同行したメンバーにつられて消費量が増えました。新横浜から掛川までの新幹線でビール2缶、観戦中にビール3杯、掛川の居酒屋で多分ビール2杯とハイボール3杯、帰りの新幹線でビール2缶。居酒屋では、もう少し飲んだかもしれませんが、記憶が不鮮明です。ワールドカップでの重要なおもてなしの一つは、観戦者のためのビールを切らさないことです。

さて、表題の“ラグビーのスクラムハーフはエッジコンピューターだ”というテーマです。多少、職業病かなとも思うのですが、自宅に帰ってきて日本対アイルランド戦を録画で見直した時に、思いついたフレーズです。15人の選手はそれぞれが何が起きているかを察知するセンサーとなったり、次の行動を判断するコンピューターになったりします。スタジアムにいるコーチ陣は、データセンターの機器やクラウド上の資源のようなものであり、試合中にはハーフタイムを除いてはほとんどアクセスされません。選手交代の判断だけがその役割です。また、15人の選手はそれぞれ処理能力を持っているのですが、やはりポジションによってはエッジコンピューターとしての役割が大きいことがあります。アイルランド戦では後半途中から、スクラムハーフが流選手から田中選手に変わりましたが、このポジションが特徴的だと言えます。

スクラムハーフは8人のフォワード選手に隣接した場所に位置します。セットプレイというのですが、スクラムやラインアウトなどの静止した状態からのプレイ時には、フォワードから提供されたボールをバックスに展開する最初の役割を果たします。但し、地域や戦況を判断して、自分でキックをしたり、フォワードに突進をさせたりもします。セットプレイではなく、プレイが継続して動いている場面では、いつも味方と相手の接点に近い場所に移動して、フォワードで攻めるのか、キックをするのか、あるいはバックスに展開するのかを瞬時に判断します。しかも、テンポを変えながらプレイすることも多いです。わざと遅延を作り出すようなイメージです。早いテンポでプレイをすると相手チームのディフェンスに穴ができやすいのですが、味方プレイヤーのミスも出やすいです。早いテンポでボールを出したり、動きを落ち着かせてプレイしたりするのは主にスクラムハーフが判断します。田中選手は2011年のニュージーランド大会、2015年のイングランド大会にも出場しており、多くの経験をしていますので、素晴らしい判断をすることが多いです。

ラグビーではそれぞれのプレイヤーがセンサーとして感じて、コントローラーとして自分の動きを制御して、エッジコンピューターとして判断をして伝達をします。スクラムハーフはこのエッジコンピューターの役割が大きいのですが、当たり前のことですが、マルチタスクで動きます。フォワードから情報収集をして指示や伝達をするタスク。相手の陣形や選手の疲れ方を見極めてキックするタスク。双方の陣形や人数、点差そしてグラウンド中の地域や時間を判断して適切な相手にパスを投げるタスク。一方で、高い処理能力も求められます。これはアスリートとしての能力で、パスを遠くに投げられること、高いキックを蹴れること、短い距離をすばしっこく走れることなどです。前者のタスクをエッジコンピューターに例えると、機能が仮想化されていてマルチタスクで動くようなものであり、後者の処理能力はプロセッサーやネットワークの性能に相当するものです。

もう一つ重要なのは、停止せずに常時動き続けていることです。ラグビーの試合を観戦するときに、背番号9のスクラムハーフに注目してみてください。常にスクラムハーフは動き続けて、敵味方の接点をフォローして、適切なタスクを実行します。接点ができた際に、まれに他のプレイヤーが代行してパスをすることがありますが、フォワードはスクラムハーフをなるべく守って、試合中常時動き続けることができるようにすることが重要です。

さて、今回のワールドカップで、非常に優秀であると考えられるエッジコンピューターを、いやスクラムハーフを何人かあげてみます。まずは、日本の田中選手、南アフリカのデクラーク選手、スコットランドのレイドロー選手、ニュージーランドのペレナラ選手、そしてフランスのデュポン選手あたりが好みです。処理能力では、ニュージーランドのスミス選手やオーストラリアのゲニア選手、そして南アの控えのヤンチース選手も素晴らしいです。

ラグビーワールドカップは11月初旬まで続きます。是非、エッジコンピューターつまりスクラムハーフにも注目ください。ストラタスのエッジコンピューターでありますztC Edgeも、仮想化技術での複数業務処理・高信頼性・高いセキュリティ機能を特徴にしています。ワールドクラスの選手として日本市場で活躍してほしいと考えます。

 

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