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限りあるリソースを最大限に活用して、スキル ギャップに備えましょう。

公共事業の専門家以上にアメリカの多くの都市や自治体における脆弱な上下水道インフラの状況について理解している人はいません。財政のひっ迫に加え、この問題に対する国民の間の広範な認識の不足もあり、必要とされる改善はもう何年も (一部のケースでは何十年も) 先送りにされてきています。

問題は、ミシガン州フリントで起こっているような際立った事例にとどまりません。研究によると、水源から蛇口までの間で失われる水の割合は 46% に達します。この規模の損失は、長期的に見れば明らかに持続不可能です。しかし、既存の上下水道システムの「完全な置き換え」は、連邦政府が約束したインフラストラクチャへの投資であるにもかかわらず、実現可能とは言えません。

自治体はどうすれば限られた予算とリソースの中で公共上下水道の品質と水の供給を維持できるのでしょうか。データ解析と IIoT (産業分野のモノのインターネット) テクノロジの一層の活用こそが、この疑問に答える重要な役割を果たします。この役割の適用範囲と重要性は今後ますます大きくなるでしょう。

上下水道システムの管理にデータを活用することは、新しいことではありません。公共事業の専門家は、長いこと水のサンプルなどの手作業で収集したメトリクスによるテスト データを頼りに、水の品質と上下水道システムの効率を監視してきました。しかし、このデータは限定的かつ事後的なものです。結果が示すものは、過去の特定の時間に起こった出来事を切り取ったものでしかありません。しかも、データを集約して解析することはほとんどないため、発生しつつある問題を早期に警告し得るわずかな兆候を特定する機会を失ってしまいます。

新たなるパラダイム

IIoT がこのパラダイムを変革します。重要な制御ポイントにセンサを配置し、データ集計および解析システムとリンクさせることにより、水質、流量、装置のパフォーマンスなどの広範なパラメーターを連続的に監視、測定、および解析し、ほぼリアルタイムの洞察を得ることができます。そのメリットは計り知れません。

水損失の問題を考えてみましょう。主要供給ポイントにセンサーを配置して流量データの監視と解析を行うと、オペレータは問題のあるエリアを正確に特定できるため、限られたリソースを修復またはアップグレードが必要なセクションのみに投入することができます。新たに水漏れが発生したら、オペレータは流量の問題を瞬時に警告することができるため、対応時間を短縮して流量の損失と断水のリスクを最小限に留めることができます。同じくらい重要なことは、長期間に渡って上下水処理のインフラストラクチャを解析することによって、自治体はより確かな情報を基に長期的な計画を立てることができるようになるのです。

高価値分野

IIoT は、上下水道システムの管理に変革をもたらすことができます。一方で、データ保護の必要性も増加します。継続的な無停止のデータ可用性を確保することが、高価値分野でリアルタイム解析の可能性を最大限に活用するための重要な成功要因です。いくつかの例をご紹介します。

安全性とコンプライアンス

リアルタイムの継続的な監視と解析により、公共事業の専門家は品質問題について事前に特定および対応し、公共の安全を保護することができます。このデータはまた、コンプライアンス文書の作成をサポートする豊富な履歴にもなります。ただし、このデータの流れが中断されると、供給、水圧、その他の重要なパフォーマンスの問題に影響する運用上の問題が発生する場合があります。データ損失が生じると、データのギャップによって法令順守違反に問われ、罰金を払うことになる可能性があります。

予測型メンテナンス

継続的な監視と解析は、アセット パフォーマンス管理 (APM) を新たな高みに押し上げます。

ポンプやバルブが壊れるまで待つ代わりに、センサーが振動などの微細なパフォーマンス データを集積して、そのデータを解析エンジンに供給し、問題の初期兆候を検出するため、突発的な事態を防ぎます。交換に要する期間は数週間に及ぶことも珍しくないため、機器の整備点検が必要なこと、または機器の寿命が近づいていることを事前に知ることは、処理の中断を防ぐために重要なことです。

また、解析によって自治体は、実際に必要な機器のみを修理または交換できるため、財源を有効に活用できます。しかし、このデータ フローが中断されると、オペレータからは主要コンポーネントの状態が「見えなく」なってしまうため、予期せぬ事態を招く恐れがあります。

遠隔監視

遠隔監視では少人数で多くの施設を監視できるため、プロジェクトの投資利益率に直結する人件費を抑えることができます。これは、定年を迎える高齢の従業員に替わる適切な人材を見つけるのが困難な場合などに特に重要です。

さらに、スマートフォンやタブレットなど、人々が既に持っているデバイスを使用してシステムを監視できれば、自治体はリモート監視専用のデバイスを購入せずに済みます。これらの状況では、スタッフが現場にいなくてもシステムを継続的に監視できるようにするため、無停止のリモート可用性が最も重要です。

水の節約

IIoT が持つ素晴らしい可能性の一例は、気温や降水傾向などの気象データを設備管理の解析に取り込むことです。これにより、水の配給と下水処理を劇的に改善するための洞察を得ることができます。これらの洞察により、節水令の宣言や解除、貯水、農業用水の配分などに対してより事前対応的なアプローチを取ることができます。水の節約の取り組みが改善されれば、自治体はコストのかかる貯水容量の拡張をせずに済みます。無停止データでそれが可能になるのです。

土台を築く

より多くの公共事業の専門家がリアルタイム データの解析によって現実世界にもたらされる価値を認識するようになれば、より多くの地方自治体が IIoT 導入への最初の一歩を踏み出すようになります。確かに、スマートシティ イニシアティブのような動きは、都心部に新しいインテリジェント監視システムやオートメーション技術の導入を推奨して、公共サービスの効率化と安全性の両方を改善しています。データ解析が公共事業のメインストリームになっていくにつれ、これらの機能は最終的に中規模または小規模のコミュニティに移行していくでしょう。

公共事業と自治体のリーダーたちが IIoT のロード マップを計画する際には、最大限の利益を確実に回収するために今こそ正しく投資することが重要です。無停止の監視および解析に必要な高可用性を備えたデータ システムへの投資は不可欠です。

同じくらい重要なことは、多くの公共事業に共通の限られた IT リソースを考慮して、新しいデータ インフラストラクチャの運用をシンプルで取り扱いやすいものにすることです。公共事業者が今正しい決断をすれば、すぐそこまで来ている「インテリジェントな」上下水道システムの恩恵を余すことなく享受することができるでしょう。

ストラタスは、2017 年 9 月 30 日から 10 月 4 日まで WEFTEC® に出展します。WEFTEC® は世界最大の年次水質技術会議および展示会として知られており、この分野における最先端の技術とサービスに触れ、それらを広範囲に学ぶ機会を提供しています。シカゴで開催される WEFTEC 2017 の ブース番号 7847 にお立ち寄りください。