LNS との共催による最近の Web セミナー「IIoT で場所を問わずアナリティクスを行う戦略を今すぐ構築」の後、IIoT 戦略の実装がコストに与える影響、およびクラウドとエッジ コンピューティングの両方が IIoT フレームワークにおいて果たす役割について、たくさんの質問をいただきました。

クラウドとエッジはともに IIoT の実装を完成させるための重要な要素ですが、それぞれが果たす役割の大きさは、コストと ROI によって決定できます。

3 年ほど前に、データをクラウドに送ることが大流行しました。新しいデバイスにはセンサーが内蔵され、古いデバイスにはセンサーが外付けで搭載され、Wi-Fi とモバイル技術 (LTE) を組み合わせて、これらのセンサーからのデータがすべてクラウドに送信されました。データがクラウドに到達すると、その種類を増しつつあるクラウドベース機械学習エンジンのいずれかにより、データに関する実践的なインサイトが提供され、生産の合理化、品質の向上、保守の改善など、さまざまな最適化を可能にします。この方法は、主に既存のインフラをバイパスできるという理由で、簡単に見えます。しかし、このアプローチにはいくつかの問題点があります。

自動システムによる既存インフラのバイパスは一見魅力的ですが、IIoT 実装を本稼働させようとすると、問題が発生します。クラウドでのアナリティクスによるコストが累積するだけでなく、ワイヤレス接続のコストも急速に増加します。接続の問題はゲートウェイを使用する社内インフラで抑制することもできますが、それはすなわち、エッジ インフラを増強することにほかなりません。クラウドは柔軟性が高く、使用量に応じて支払いが発生するため、従来の CAPEX(設備投資)モデルではなく OPEX(運用コスト) タイプのモデルにシフトすることによる利点はあるものの、コストは変動します。

自動化業界で運用技術員が戦々恐々としているもうひとつの問題は、サイバーセキュリティです。工場外へのデータ送信は、産業オートメーションの世界において、デジタル化の最大の課題のひとつです。2017 年に TRISIS/TRITON/HatMan マルウェアによって安全システムが侵害されてしまった事件ひとつを取っても、サイバー脅威の本質的危険性を認識するには十分でしょう。コスト上の懸念、応答時間、サイバーセキュリティの脅威は、多くの運用技術員がエッジ コンピューティングにますます熱い視線を送っている主な理由です。工場の現場近くでアナリティクスを行い、制御キャビネットにより多くのアプリケーション機能を追加するという考え方は急激に魅力を増しています。こうしたシステムには広範なアプリケーションを搭載でき、価格も手ごろです。対応可能なアプリケーションは、小規模なローカル SCADA、HMI、Historian、シン クライアントなど、多岐にわたります。また、データを管理システムやアセット パフォーマンス管理 (APM) システム、クラウドにアップストリーム転送する前に、ローカルの センサーや管理点からデータを収集して分析できます。このデータの一部は、高度なプロセス制御、品質検査、デバイス故障予測などの工場現場業務を改善するための実践的なアナリティクスに使用できます。

当然のことながら、コンピューティング機能とアプリケーションが工場現場に近ければ近いほど、問題に対応するためのサポートや熟練した専門家からは遠くなります。IT サポートの守備範囲でないため、自動化または運用技術員が迅速に対応することは難しいかもしれません。このため、シンプルに導入でき、自律的な保護を行い、地域の工場現場スタッフが簡単に修理できるシステムは、エッジベースの環境で際立った価値を提供します。これには、内部予測型保守とリモート監視が含まれ、これらのプラットフォームの修理でプロアクティブな措置を取ることができます。これは、すでに生産に支障が出て、総合設備効率が低下した後で対処するアプローチとは対照的です。

これらの環境では、長年にわたり、市販の IT グレード PC と産業用フォームファクターの高耐久 PC が共に使用されてきました。しかし、エッジの重要性が高まり、自動化タスクに加えてアナリティクスの新機能が着実に工場現場に近づくにつれて、エッジ システムへの依存が高まってきました。これこそが、ストラタスがゼロタッチのコンピューティング プラットフォーム、ztC Edge を発表した理由です。特に、エッジにおいてシンプルで信頼性が高く、かつ管理が簡単なソリューションを活用し、より多くのアプリケーションを提供するというニーズに応えます。

※ ztC Edge の日本での発売時期につきましては、2018年末から2019年の春を予定しております。 詳しくは、 お問い合わせください。