炭化水素製造業者は、運用コストを削減し、業務効率を高めなければならないプレッシャーに直面しています。これは口で言うほど簡単ではありません。障害となるのは、サテライト施設や遠隔地に設置されたポンプ ステーションでSCADA (Supervisory Control and Data Acquisition: 監視制御システム)、Historian、および自動化制御システムを実行している旧式の OT (Operational Technology: 運用技術)インフラストラクチャです。こうしたシステムは、導入以来何十年も経過していることがよくあり、潜在的に重要なデータを収集していながら、そのデータを高度な分析用に抽出する作業は困難であったり、不可能なことさえあります。

一方、同業者であるエネルギー関連企業の IT チームは、仮想化、接続性、そしてデータ分析において大きく前進しています。OT のアップグレードが今後も遅々として進まないならば、エネルギー生産者は、石油ガス業界で再定義される IIoT (Industrial Internet of Things: 産業分野のモノのインターネット)テクノロジーのメリットを活用できません。製造設備や機器、センサーと、高度な制御システムおよび分析機能との連携は、業務効率化を促進し、洞察力を高めてビジネスを成長させるために欠かせません。

IIoT を活用するインテリジェントなコネクテッド エンタープライズ 企業 として、どのようなことを達成できるでしょうか。米国全土に渡りほぼ 15,000 マイルものガス パイプラインを運営する Columbia Pipeline Group (CPG) (最近 TransCanada Corporation によって買収) の事例を見てみましょう。CPG は、リアルタイムの運用データとビジネス分析を生成するフォールト トレラントな SCADA システムによって OT をアップグレードしました。CPG は導入初年度、メンテナンスと計画外ダウンタイムの低減によって 230 万ドルのコスト削減を果たし、100%に近い 可用性を備えたキャパシティで運用できる見込みです。そして今日では、こうした削減が 980 万ドルを超えています。

全面的アップグレードを最初から行うことなく、IIoT に対応した企業に変革を遂げるにはどのようにしたらよいでしょうか。ストラタスでは、段階的に進める方法を推奨しています。

ステップ 1: 中央から着手

まず、レベル 2 監視制御、レベル 3 インフラストラクチャ運用および制御などの管理環境をアップグレードします。これにより、アップタイムのパフォーマンスと効率がただちに向上するとともに、プラントや遠隔地の施設にまたがる分散管理システムを段階的にアップグレードするための基礎を作り上げることができます。レベル 1 プロセス コントローラーとセンサーのデータを変更せず、そのデータを高度な分析に使用して、運用とビジネス計画を改善することができます。

ステップ 2: 外側に向かって拡大

インテリジェントなコネクテッド エンタープライズを、運用インフラストラクチャ全体の個別マシン (個別のセンサー、アクチュエーター、コントロールバルブなど) に拡張することによって、自動化と予測管理をまったく新しいレベルに引き上げることができます。データは数秒間隔で収集されるのではなく、数百ものセンサーからほぼ連続的に収集され、分析エンジンに取り込まれます。レベル 1 基本管理環境とレベル 0 インフラストラクチャを将来的にアップグレードすれば、生産性と効率が向上し、計画外ダウンタイムが削減されるため、非常に高い価値を手にすることができます。

アップグレード計画がどのようなものであろうと、堅牢な可用性戦略は最先端システムがもたらすメリットをしっかり生かすために不可欠です。旧式の PC を仮想サーバーに置き換えることには、フットプリントの大幅な削減、診断と修理の合理化、新しいアプリケーションのプロビジョニング簡素化、システム管理の工数削減など、多数の利点があります。

こうした利点がある一方で、管理アプリケーションを 1 台の物理マシンに統合することによって複数の障害点が一つに集約され、計画外ダウンタイムのリスクが高まりますが、これは、フォールト トレラントな「always-on」仮想化プロセス環境で簡単に対応できます。従来の障害復旧と異なり、こうしたフォールト トレラント ソリューションは、障害の発生とインフライト データの損失を防止します。継続的なデータ ストリームは、特にデータ量の増加とその価値が高まるにつれ、IIoT にとってクリティカルになります。

変更にはリスクが伴いますが、高まり続ける炭化水素業界への要求に対応し、効率化を図りコストを削減することは不可欠です。自動化および制御インフラストラクチャのアップグレードを慎重かつ段階的に行えば、リスクを最小化しつつ近代化の利点を生かした産業システムを実現できることでしょう。先延ばしにしてはいけません。第一歩を踏み出すのが早ければ早いほど、財務面および競合面で IIoT の圧倒的な優位性を手にすることができるのです。